へたれ世代
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へたれ世代
るぱーんさんせーーーいのアニメにでてくる次元大介のような
必要なもの以外はあまり持たなくても平気な、
むさくるしく一芸のみに秀でたかっこいい男になりたかった。
男に生まれていたら、だ。しかし染色体はダブルX。
初めて親が撮った記念写真の裏に「残念また女の子」と書かれてしまった次女。
まぁ産まれてきたのはラッキーなのでそれなりに生きてきた。
妥協の産物ばかりで生きてきたので、それなりなオバサンになってしまった。
こんな素性なので度々夢では男性として生きることに挑戦している。
しかし理想の次元大介には程遠い、ただのうざい男になってばかりいる。
夢の中ぐらい思い通りにサクサクと人生進めてみたいものだが 防脫髮
夢の中では会社員になっていた。どうやら会議中らしい。
何を会議していたかは忘れてしまったが、企画会議中な感じだったな。
私は内容の薄い感じの会議に、長時間拘束されていることに苛立っていた。
斜め向かいで、若くてやる気に満ちたキラキラ瞳の女性が、
クリエーティブとかなんとかかんとか、カタカタ言葉ばかりを喋っている。
石原さ○みちゃんのような、
隠れキレイお姉さん的な感じの、爽やかな明るさを感じる美女。
フローラル系の柔軟剤の香りがするような清潔感たっぷりの容姿。
鈴のなるようなさわやかな声。真摯なまなざしに正しい敬語。
パワポもキラキラ素敵にプレゼン、資料も美しい。だが、何というか薄い。
内容が私の中に一切響いてこないのでとにかく苛立っていてね。
周囲だって、わかってるんだかどうだかわからん顔をして肯いているばかりだ。
お前ら本当にわかってんのかよ?Nutrilite產品俺はちっともわからんよ。
発表は順調に進んだ様子。終わって何かご意見やご質問はという時間になった。
誰も何も言わない。早く終わることを望んでいる様子。
私も確かに早く終わってほしい気が山々だ。しかし。この会議は死に体だ。
大体…。ここで私の中のおっさんがとうとう吠えた。
「カタカナ言葉ばっかり喋って何なの?資料もキレイ発表もうまい。
でもさ、本当は何がやりたいのかどうした方がいいのかってのがさ。
一切伝わらねぇンだわ。一言で言えよ。何なの?なにがしたいん?」
思ったよりも大声が出たことに自分で若干驚いたが、それでも毒吐きは止まらず。
周囲のじとりとした視線を感じる。
。
発表している彼女は瞳をぱちぱちさせながら少し大声を出した。だいぶ驚いている様子だ。
「ですから、この場合のクライアントのニーズであります…。」
「クライアント?」「顧客、です。」「ニーズ?」「需要、です」
「はぁ???全然聞こえねー。」
私は嫌なやつで、彼女がカタカナ言葉を使うたびに、逐一聞き返す。
「結局なんなの?」私は腕を組み彼女の顔を見つめる。
おびえていた彼女の表情が一瞬凛としたのが分かった。私は少しひるんだ。
彼女は資料を演題の上に伏せて私の目を見つめた。
「この企画は今後厳しくなるこの業界で先手を打つために必須だと思っています。
貴方のように古い価値観で企画を継続していては、この先同業者の中で生き残ることはできないと言っているんです。私達は同業者の中で生き抜くために常に価値観を更新していく必要があるということです。ですから特に、貴方のような価値観が凝り固まって内容が入っていかない人に、今回のプレゼンの内容を深く理解してほしいんです。直属の先輩である貴方の協力は必要だから、理解してほしいと思っているんです。私は…」最後は涙声だ。
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